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2004/11/15

【那須湯本】老松温泉 喜楽旅館(11/11)

大丸ガーデンを後にして湯元に下ると、鹿の湯の入口は工事のため通行止め。もう閉まっている時間だからどうでも良いことだが。更に下り、郵便局の反対側の路地に小さな老松温泉と書いた看板がある。そこを曲がると舗装も切れ登りの山道だ。すぐに道が広がった所に出るが、そこが駐車場だ。50mほど歩くと狭い道を挟んで古い、今にも崩れそうだと心配するような建物がある。行き過ぎて振り返って見たらまるで廃屋だった。(④参照)
気を取り直して右側の建物の帳場に声を掛け、500円を払い、反対側の旅館棟へ入る。よくここの紹介にある渡り廊下と急な回り階段を下りる(②参照)と、意外にきれいな館内だ。聞いた所では改装したら100円値上がりして500円になったとのこと。その位はしょうがないだろう。トイレもきれいな水洗だし、有料の休憩所もなかなかだ。

oimatu4.jpg

内湯へ入る。洗面台もちゃんとしている。脱衣棚はロッカーだが鍵は使えない。
引き戸を開け浴室へ入ると、カランも一つあるがシャンプー、石鹸類はなし。浴槽は2つ並んでいて、この日は手前が36℃、奥が41℃で灰色の濁り湯だ。

041111_030.jpg

毎週来ているという先客にいろいろ聞く。源泉は冷たく沸かしているが、温度調整用の水も源泉で、いくら加水しても成分は変わらないこと。毎日片方の湯舟は湯を抜いて掃除し熱い湯を入れる。だからぬるい方は二日目の湯だそうだ。糖尿病に効くお湯とのことで、結構客は切れ目がない。
飲んでみると苦みのある味で、鹿の湯とは大違いだ。硫黄臭も少ない。なんと弱アルカリだそうだ。
柔らかなお湯で、温い方に入っていれば何時間でも入っていられそうだが、外来者は45分で出るのが原則だ。

十分温まり、風呂から出て帳場で成分表を見せて欲しいと頼んだら、「そんな物は無い。よかったら源泉が湧いている所を見ますか?」とのことで地下へ下りる。なんと道の下をトンネルで繋いであった。壁から滲みだしている源泉はいろいろな色を残し(③参照)、灰色の水だった。成分は気になるなぁ。

なんとも、趣のある温泉だし、鹿の湯のすぐ下流にこんな泉質の鉱泉があるのだから那須湯元はスゴイ。

<施設名> 老松温泉 喜楽旅館
<源泉>  敷地内自然湧出 弱アルカリ単純硫黄泉
<入浴料> 500円(回数券あり)  子供(0~10才)300円
<営業時間> 8時~20時

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コメント

早速行ってきました。
営業時間8時までなのかなぁ?と電話すると
受付8時までで9時に消灯するので9時まで入れるとのこと
で、仕事終えて20時ちょっと前に到着
駐車場に車停めてからの1分間が長かった。
真っ暗で途中ここ?と思った老松温泉廃屋があったり
宿の明かりが見えてホッとしました
遭難するんじゃないかと思いました(大げさ)

窓の鍵には白い析出物がびっしり!
白濁してるし感触もこれは硫黄泉?かと思いましたが
帰りにご主人に聞くと
「硫黄じゃない、酸性でなくアルカリ性だから飲めるんだよ」とのこと
浴感は硫黄泉に入った感じ、でも弱アルカリ性
でもシャンプーもっていったけど泡立たない
湯上がり後は肌がすべすべになってる
摩訶不思議な湯です
この湯はいったい何者なんでしょう?
日光湯元の硫黄泉は酸性でなく中性だから
アルカリ性硫黄泉ってあるのかな?

投稿: デミオ | 2005/10/20 01:09

こんばんは。
アルカリ性硫黄泉ありますよ。
学生時代毎日入っていました。
泡立たないのとお肌すべすべに硫黄臭が染付きます。
硫黄泉は飲用しないほうが宜しいようです。

確かにあのお湯の成分は気になりますねー。
近くの町有源泉と全然違うし・・・。

投稿: Take | 2005/10/20 02:20

>デミオさん
老松温泉に行くとしみじみ栃木の温泉の奥深さを実感しますね。
> 遭難するんじゃないかと思いました
これは名文句ですね。真っ暗ですから・・・

>Takeさん
よしかママさんもきっと行きますよ。彼女のレポが楽しみです。
学生時代の硫黄泉はpHどのくらいでしょうか?
かなり気になりますよ。
行きたいなぁ。

投稿: 流れ星@番頭 | 2005/10/20 21:54

アルカリ硫黄泉ってあるんですね、ちょっと驚きです

ここは湯上がり後は硫黄が体についてる感じがしたのですが
硫黄泉入ると翌日もタオルから硫黄の残り香がしますが
ここはそれが全然なかった
その一方で持っていったシャンプーとボディソープは
全く泡立たず+でも肌はすべすべ
老松温泉は栃木県薬務課のサイト見てもでてないし
ますます神秘的な湯です

たどり着くまで遭難するんじゃないかと思ったり
ちょうど地震があって建物崩壊して下敷きになるんじゃないかと
ハラハラして、スリル満点でした。
すぐ横は渋滞街道なのに那須湯本にあって秘境ですね

投稿: デミオ | 2005/10/20 23:43

タオルの残り香とはポイントを突いていますね。
喜楽旅館で地震とは想像するだけでも恐ろしいですね。

投稿: 流れ星@番頭 | 2005/10/21 00:10

別所温泉@上田の共同湯4湯をローテーションで。よくTVに出ていますね。
当時¥30でしたが無料券をもらってました。今は¥150?暴利だな。(笑
残念ながら下水道導入の為循環になっちまいました。めまいのする硫黄臭はほとんどゼロ。湯の花のカスも無し。(号泣
残り香どころじゃありません、下着に染み付いて困りました。
若干のぬめりだけ残ってました。元はヌルヌル。
一軒だけ掛け流し続行かな、薄いので加水してると思うけど?
カランも循環湯使用かなあ。源泉じゃなくなりましたね。おかげで頭洗えるようになりましたよ。
翌日まで車が硫黄臭に包まれることもなくなりました。

pHは8.63。331.5mg 泉温51.3℃ 温泉街全軒山奥からの共同源泉引き湯。硫化水素型の単純硫黄泉かと。
TVによく出てくる某旅館の露天、内緒でバルブを開くと源泉ドバドバ、当時のままの香りが味わえます。(^^
今の時期は紅葉、マツタケ、蕎麦。一番いい時期ですよ。

投稿: Take | 2005/10/21 12:23

>Takeさん
別所温泉の現状寂しい限りですが、下水に放流するには規制があるんでしょうね。環境とのバランスは難しいもんですね。
特に個性的な温泉ほど掛け流した後の始末が大変です。玉川、草津が典型ですが、湯の湖の汚染もあの素晴らしい日光湯元なんですからね。

投稿: 流れ星@番頭 | 2005/10/21 23:02

はい、老松温泉行ってしまいました。
いやぁ、面白かったです。

ところで玉川温泉の酸性泉を戦時中工業目的で田沢湖に流し、田沢湖の魚類は全滅したのだそうですね。
今は中和する設備もできて田沢湖はウグイがうじゃうじゃ泳いでいますが、そんな話を聞くとゾッとします。

投稿: よしか | 2005/10/29 11:31

栃木を代表する「超雛び系B級温泉」だったでしょう?
よしかさんを脅した犬達に替わりましてお詫び申し上げます。
田沢湖の話、詳しく知りたいものです。

投稿: 流れ星@番頭 | 2005/10/29 23:07

別所の共同湯の管理は個人の入札制で毎年変わります。
それまで各旅館も川に流していたのですが、下水道整備により下水道料金を払わなければならず、現行¥150ではペイできず循環になった次第、環境問題とはこれっぽちも関係ありません。規制もありません。下流では田んぼに水を引き、降水量が少ないのでため池に貯め鯉の養殖にも使われてます。

循環を導入したお陰で私の信頼を失いました、悲しくてもう行く気がしなくなりました。番台のこたつに入ってるばあちゃんの上にあるデジタル制御版を見た瞬間呆れましたよ。

田沢湖は昔から玉川の水が流れ込み魚のいない湖でした。
地元の名士が私財をはたいて中和化に挑み魚が住めるようになったと小学校の頃読んだ伝記にあったような・・・。

投稿: Take | 2005/10/30 00:40

流れ星さん、そんな、例の犬たちの分を誤ったりしないで下さいね。
ちょっと犬全般怖くなってしまいましたが、決して犬が嫌いではないし、他の犬たちすら罪はないはずですから(笑)。

Takeさん、先日は私の掲示板にも来て下さってどうもありがとうございました。
いつも流れ星さんとTakeさんのアドバイスがあってこそ、栃木の湯巡りもハズレがなく楽しめると思っています。

田沢湖と玉川温泉の関わりは、実家にあった古いガイドブックで読んだものです。
ちなみにそのガイドブックに載っていた乳頭温泉郷の妙乃湯が山小屋に毛の生えたような超オンボロ宿だったのが印象に残ってます(今は乳頭随一のお洒落宿ですものね)。

田沢湖町の公式サイトで調べてきました。
http://www.town.tazawako.akita.jp/01_kaiteki/01_kodai.html
近代の昭和15年の記載に、生保内発電所の完成と田沢湖の魚族が死滅したことに関する記述が見えるようです。
戦時中に工業目的で排水したという私の表現もちょっと外れていましたね。ごめんなさい。
太平洋戦争の1年前に発電所は完成しているようですが、ガイドブックには軍需目的と書かれていましたので、実際にそういう目的もあったのかもしれません。
何にせよ、玉川の酸性泉はそれ自体は天然のものですが、人為的にそのまま田沢湖に流したことにより起きた現実は想像すると本当に恐ろしいことだと思いました。

投稿: よしか | 2005/10/30 11:51

>Takeさん
別所温泉の共同浴場も昔の事を知らなければ「いい湯だなぁ」と思うのでしょうね。源泉の旅館に泊まりたいですね。
今日、こんな話もしたかったけどラーメン話で盛り上がっていたから・・
 
>よしかさん
田沢湖の歴史は調べる価値がありそうですね。
「玉川毒水」という表現にドキッとします。
栃木の「足尾鉱毒」を連想したりしてね。

投稿: 流れ星@番頭 | 2005/10/31 00:58

昨日は失礼しました、そのうち時間を作りましょう。(^^

毒水に浸かるのですから効きますよー。(笑
希硫酸ですからかなりつらいですね。
岩盤浴もジーンズ一本ボロボロにしちゃいましたので発汗以上に体には毒ですよ。

別所の旅館だと配湯量がかなり減るかと。なるべく小さな民宿のほうが宜しいようです。本当にいいお湯だったんですよねー。

>よしかさん
乳頭では黒湯がお気に入りです。あれでアブがいなければねえ・・・。妙の湯は敷居が高くなりました。
老松入り口の犬、クルマで通っても吼えられました。倒壊現場は見なかったのですね。(^^
冬の那須は厳しいですが静かでいいですよ、おこたでゴロゴロ、みかんが合います。

投稿: Take | 2005/10/31 17:16

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