【塩原】甘湯新湯
「甘湯新湯」を検索エンジンで引くと50件以上引っかかる。それらを読むと、黒田(温泉)さんの温泉ウォーキング/浦和発で紹介されたのが最初で「甘湯新湯」の命名者も黒田さんらしい。
私は秘湯探求の八九郎さんから直接聞いていたので大まかな場所の見当はついていた。
県道矢板ー下塩原線を福渡から登ると5kmの所に山肌から多量に湧く「幸福水」がある。あまり有名ではないが、同じ高原山に湧く水だから尚仁沢と同じだと思う。その先500mで道は分岐し、右折すると新湯方面だ。新しい道で、地図にはまだ載っていない。その道を1km強進むと甘湯沢に掛かるおおるり橋があり、続いて支流に掛かるかもしか橋がある。新湯から来れば約4kmの所だ。おおるり橋の先に沢沿いに下る林道の入口があり、4駆なら進めそうだが、遮断機手間にある広場に車を止め歩いて行くことにした。
ゲートを過ぎゲンノショウコやイカリ草の花を眺めながら歩きやすい道を10分も下ると、甘湯沢に掛かる橋にさしかかる。途中道一杯に水が流れていたり、一部路肩が落ちていて車で来なくてよかったとホッとする。
橋には色が付けられたりしてはなく、マークらしいものも見あたらない。
黒田さんをはじめ、先駆者はここから沢に降りて渓流下りして探したようだ。しかし、勾配はきつく、石はごろごろしているし、歩ける岸は僅かでさぞ大変だっただろう。
最新の情報を頼りに、左に甘湯沢を木の間に見ながら更に林道を下る。
橋から5分ちょっと歩いた所に杉の木に巻かれたグリーンのテープが目に入った。そのすぐ下には沢に下る踏み分け道がはっきりしている。
藪コギを覚悟していたが道の状態はよく、訪れる野湯ファンも結構いるなと感じた。数分で沢まで降り、ブルーシートが見えてくる。ちょうど台風が去った後で水量は非常に多く、徒渉出来そうな地点が見つからない。上流側に沢に倒れかかった立木があり、それに掴まりながらやっと渉った。そこからは藪コギだ。
湧出箇所は何カ所もあり、岩盤自体が熱く感じられ、自然の噴気合成泉かなと想像した。析出物には鉄分もあるようで、鉄味を感じたという報告もあったが、この日は金気を感じなかった。また炭酸カルシウムの温泉華も成長しており、炭酸系のイオンの豊富さが見えた。
パイプで湯溜まりから引湯していてその流量は10リットル/分ほどだった。全体ではその5倍はあるだろう。
湯温は一番熱い所で60℃ほどか。この日は雨の後なので表面水が多く温い所もあった。
飲んでみると美味しいと感じる無味無臭の湯だった。
帰宅してpHを測定したら8.0程度だった。丸1日経過しても析出はない。
ネット上の記載で湯加減がちょうどよかったという、湯が注いでいる水たまり部分があるが、流入する沢水が大量で全く冷たいので生ぬるい所で足湯だけした。
この周辺は野湯として名が売れたため、何枚ものブルーシートやホース、パイプ、樋などが散乱し、それ自体は完全に自然を侵している。次の人に残してやるなんていうのはおかしい。全て持ち帰るのが原則だろう。湯沢噴泉塔に行った時も同じような光景を見た。心ない釣り人が水辺を汚すのと同じだ。
地図を添付すれば簡単だが、ここには貼らない。希望者がいればメールで送りたい。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
塩原観光マイスターの流れ星さんのご案内で行ってきました。
自分ではたどりつけないと思っていたので機会を待ち望んでました。
渓流の山肌から自然湧出、熱いです。
あちこちから湯気が上がっています。
掘削深度~mという表示を数々目にすると、自然の驚異を感じました。
養蜂家では巣箱の警戒が厳重だなぁと思ってたら
熊がハチミツをなめにくるので阻止するものとのことで
思わず納得
林道をワイワイガヤガヤ、熊の撃退方法としてもうってつけでした。
投稿: デミオ | 2006/11/27 22:36
>デミオさん
初めてのコメントなんですね。やっぱりここへたどり着いた人はそんなにいないのかな。
下り一方のコースだったからおしゃべりに花が咲いたのかも知れません。登りだといつの間にか寡黙になります。
そのうち、湯沢噴泉塔目指しましょうね。
投稿: 流れ星 | 2006/11/27 22:52
こんにちは。
今年の1月と5月に甘湯新湯を探しにいきましたが
見つかりませんでした。
鉄の橋からの行き方がわかりません。
ぜひ地図を送ってください。
どうぞよろしくお願いいたします。
投稿: バニー | 2012/08/01 22:51