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2006/09/25

【塩釜】八峰苑

ホテル八峰苑
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驚いた!
 
塩原温泉は全ての旅館・温泉施設に入ってないまでも、知らない源泉は無いと思っていた。

塩釜温泉で未湯だから一応入っておこうかと期待もせず先週立ち寄ったら、これが撃沈!これほどの湯を見逃していたとは。1週間後、また行ってしまった。
再訪してガッカリする所もあるが、ここは違う。一層気に入ってしまった。

福渡温泉街から塩原街道の旧道を進むと、塩釜温泉を通過する。畑下温泉に入る少し手前に塩の湯方面にも抜ける、約50年前に造られた塩湧橋がある。そこを渡ると正面にあるのがホテル八峰苑だ。
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歴史を感じる建物だが、よく手入れされているし、館内外の掃除も行き届いている。駐車場は8台分ほどで広くはない。まず目を引かれるのが玄関前の「玉子湯」と書かれた木樋だ。景気よく湯気を上げていて温泉気分を高めてくれる。
 
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 ちなみにここに生卵を入れておくと1時間ほどでおいしい温泉卵ができあがる。卵持ち込みOKだ。宿に頼めば6個300円でタレ&薬味付きで売ってくれる。
 
玄関を入り、スリッパに履き替えロビーに立つと正面がフロントで、その左側の廊下を進み左に階段を下りて浴室へ向かう。男女大浴場、家族風呂の入口が控えている。その横に狭いドアがあり、まずは貸切露天風呂「せせらぎの湯」へ行く。建物の際の狭い通路を進み、扉に掛かる木札を「入浴中」に裏返す。更に階段を下るとそこがせせらぎの湯だ。甘湯沢の渓流がすぐ横を流れ、うっそうとした木々に包まれている。石組みの露天風呂からは対岸や頭上に橋が見えるが、こちらを窺う人の目はない。
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湯は薄茶のササ濁りで、これだけで感動だ。成分表ではそれほどの数字ではないのに、カルシウムの析出が多く、空気に触れた鉄分がその析出物を赤く染めている。女風呂の露天からの排出箇所には明らかな石灰ドームが形成されている。
個性的な独自源泉を掛け流しているから浴感は最高だし、そのロケーションが素晴らしい。紅葉時期には完全に赤い木の葉に包まれるだろう。

大浴場に戻り内湯に入ると仕切を入れて家族風呂を造ったなと分かる。浴槽の底から源泉が出てくるので、湯とともに時折大きな泡が上がるが、温泉中の炭酸ガスなのだろうか。
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こちらは女子大浴場と、そこから入れる露天風呂だ。これまた素晴らしい。目隠しも十分だ。

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        <未 完>

<施設名> ホテル八峰苑←HPは旦那さんの手作り
<所在地> 那須塩原市塩原1311  <TEL> 0287-32-2553
<源泉名> 鹿の湯・大橋秀夫混合源泉
<湧出地> 塩原町下塩原字富士山国有林100林班いろに小班内
<泉質>  重炭酸土類泉
<泉温>  40.1℃   <pH> 6.7
<成分総計> 1.607g/kg   <蒸発残留物> 963.4mg/kg
    カチオン Na:197.2mg K:43.7mg Ca:69.3mg Mg:19.9mg Fe:2mg
    アニオン Cl:87.4mg SO4:51.3mg HCO3:705.1mg HS:0.1mg
    遊離成分 メタ珪酸:201mg メタホウ酸:12.1mg
    ガス成分 CO2:215.3mg H2S:0.2mg
<立ち寄り時間> 14:00~17:00
<入浴料金>  大人 800円

※現在「自遊人」2007年5月号の無料パスポートで無料入浴を受け付けてくれています。
 あくまでも「お湯をお借りする」わけで、帰りには感謝の一言をお忘れなく。

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コメント

こんばんは。
ここは、ずーーーっと昔、学生時代に友達と泊まった事があります。
部屋もお風呂もとても鄙びていて、ちょっと恐かった思い出があります。
リニュアルされていて、素晴らしい色の魅力的な温泉だったみたいで、行って見ようと思える様になりました。
今、思うと、温泉好きになる、はるか前に、その友達に大出館や、むじな、そして、ここ八峰苑へと連れて行ってもらってました。
今の、のんにしたのは、彼女かな?
先日、老松温泉に行ってきましたが、今では、鄙び系もまったく平気なのんです。

投稿: のん | 2006/09/29 20:17

>のんさん
のんさんの学生時代ならつい最近ではありませんか^^;
リニューアルはあまり期待できないかもしれませんが管理は行き届いてますよ。
ま、喜楽旅館に比べたら鄙びのうちに入らないかもしれませんね。
そういえば当時はむじなの湯も混浴だったでしょう?(あっ、最近だったか)

投稿: 流れ星@番頭 | 2006/09/30 09:46

言葉が足りませんでしたm(__)m
むじなは、機会をうかがってましたが、結局、おじさん達のきれる事はなく、のぞいただけで終わっていて未湯なのです。
今のような温泉ブームではありませんでしたが、さすが「むじな」ですね。
男女別になっても、泊まった時に無料で入ろうと言いながら、まだ未湯です。

大出館の墨湯は、ドキドキしながら入りましたよ。
友達が砂鉄のようにつく墨をおもしろがって何度も見せてくれました"^_^"
男性だと、すごいのでしょうね(ちょっとエロいかな(^^♪))

投稿: のん | 2006/09/30 18:43

結局むじなに入っていないとはのんさんらしくないなぁ。
ぜひ、あの熱湯を制覇してください。

> 男性だと、すごいのでしょうね(ちょっとエロいかな(^^♪))
どんなシーンなのか見当もつきません(^^;
といっても、勝手に想像してますけど。

投稿: 流れ星 | 2006/10/02 13:22

おぉぉ!
八峰苑のサイトのリンクに
「湯めぐり日記(栃木の温泉)流れ星さんのブログ」として
リンクがありますよ

八峰苑は「玉子湯」に指だけ入湯、檜風呂の贅沢を味わったもののまだ未湯です。
流れ星さんが2週連続で行ったほどですから魅力的です。

投稿: デミオ | 2006/10/07 23:20

現代に生きるシーラカンス源泉
「鹿の湯・大橋秀夫混合源泉」
八峰苑のタイムトラベル源泉に圧倒されました。
ご主人に見せられた歴史資料と説明をうかがい
ノックアウトされました。
緑がかった笹濁りのぬるめの湯
鉄分の浮遊物はかけ流しならではの逸品
お誘いいただき流れ星さんに大感謝!
八峰苑のご主人には大々感謝!!です。

投稿: デミオ | 2006/10/09 23:39

>デミオさん

お付き合いいただきありがとうございました。
こんな経験も初めてだったし、貴重なお話が聞けてよかったです。

八峰苑にマニアの方々が行かれることを期待します。

投稿: 流れ星 | 2006/10/10 16:57

自遊人のパスポート握りしめた方々一行と寄らせていただきました。
パスポート対象外のところに寄ったわけですが
みなさん大満足されてました。

投稿: デミオ | 2006/11/14 00:25

ご主人、色々と隠し玉もってますね
3度目(流れ星さんとは2度目)ですが、
昔の栗の木の木導管を見せてもらったり
源泉にやられて析出物で詰まってしまった交換したパイプ
パイプを見せられ、源泉のパワーに驚きました。
宿は侘びてますが、消防団が宴会に利用する宿は
料理に定評があるとのことなので、
温泉以外もよさそうですね、温泉たまご美味しいし。
「温泉たまご入浴中」の光景も、プチ満悦です。

投稿: デミオ | 2006/11/27 22:59

流れ星さん、お久しぶりです。
この前の日曜は自遊人パスポートで塩原2ヶ所の温泉をハシゴしてきました。
ホテル八峰苑と塩原グリーンビレッジ福の湯です。
特にホテル八峰苑さんはパスポートで入れる内湯大浴場のお湯がたまってなかったので、貸切露天風呂せせらぎの湯に入れていただきました。
入浴を断られても仕方ない状況でしたが、ご主人の特別な配慮に感謝します。
八峰苑のお湯は私の好きな茶褐色の濁り湯、さらに塩原で長年憧れていた塩の湯の明賀屋本館にも負けないと思われるロケーションに感激しました。あちらは2000円もして、系列ホテルに泊まらない限り手が出ませんが、タダでそれに近いお湯が味わえて感激でした。甘湯沢というのは野湯に限らず、いいお湯が出るものですね。流れ星さんが自信たっぷりにオススメしたのがよくわかりました。
塩原グリーンビレッジは無色透明ですが、露天の注入口付近には茶色い粒状の湯花が見られましたね。もちろん内湯の混雑時以外は塩素消毒なしの掛け流しのようです。受付で「自遊人の利用者が多いのだけどなぜ?」と聞かれたのですが、やはり私は「自遊人の温泉倶楽部のHPなどネットの影響かも?」とお答えしました。実はその原因の超本人は私かも?(^_^;)
帰りは下道コースで氏家・鹿沼を通って西方のいきいきロマンの湯をいただいて、足利を通って帰りました。行きも足尾・日光経由の下道で尚仁沢湧水も汲んできましたよ。

投稿: ONKEN21 | 2007/06/12 01:00

>ONKEN21さん
ちょこっと、ご無沙汰しちゃいました。これからもよろしく。
八峰苑、全国の温泉を股に掛けるonkenさんにそんなに喜んでいただけるとはとっても嬉しいですよ。館主の大橋さんもonkenさんは半端な温泉ファンじゃないとオーラを感じたに違いありません。今度話しておきましょう。
また、ロマンの湯ですか。これも大権威に気に入っていただいて嬉しい限りです。

投稿: 流れ星 | 2007/06/13 00:38

今回、自遊人の温泉パスポートがあったので、私も行ってみましたよ。
お湯はいいと思ったのですが、流れ星さんの時と違って、ちょっと浴室内の清掃状況があまりよくありませんでした。

投稿: ごまちゃん | 2007/08/06 20:51

>ごまちゃんさん
遅レス、すいません。
ご不満はもっとありそうですが、ご勘弁ください。
建物が古いから管理は大変なようです。
パスポートが終わってからでもご夫婦で貸切り露天風呂に入ってみてください。
絶対印象が変わりますから。

投稿: 流れ星 | 2007/08/22 09:25

某掲示板で私の拙い記事にリンクありがとうございました。
甘湯温泉万人風呂について知識が乏しく、流れ星さんのコメントがきっかけで長年の疑問が解決しました。TBさせていただきますので、ご覧になってください。

投稿: がり2 | 2008/09/13 12:59

再びすみません。
エラーになってしまってTBできないのでURL参照ください。
http://pub.ne.jp/gari2/?entry_id=1643985

投稿: がり2 | 2008/09/16 22:14

【袖ヶ沢(袖の澤)温泉】
記憶があいまになってきたので、忘れないうちに自分が承知している範囲でまとめておきます。

大田原銀行塩原支店長の大橋義雄氏が銀行を辞して始めた会社が塩原遊園地株式会社で、塩原袖ヶ沢温泉「万人風呂 霞上館」を運営。
万人風呂へ向かう「遊園道」を自力で建設し、箒川にかかる遊園橋にその名が残る。
当時は木橋で、一度流され架け替えられている。
現在の市道袖ケ沢線であり(と思う)、袖ケ沢から市道門前・須巻線として繋がっている(と思う)。
ネット検索すると、塩原遊園地株式会社が著者「塩原袖の澤温泉案内」という本が出ている。
「袖ヶ沢」と「袖の澤」と微妙に表記は異なる。
大橋義雄氏は、万人風呂近くの水道工事会社や八峰苑のオーナーの祖父に当たる。
戦後もしばし存在し、八峰苑のオーナーのお母さんが、万人風呂に入っていたとおっしゃっておられた。
近くの「上水道万人風呂配水池」に万人風呂の名称が残っているのみで、建物は現存していない。
温泉が自然湧出するところは地盤が弱く、蛇もいるとのことで勝手に立ち入るべからずです。
実際、霞上館は山津波で何度かつぶれたとのことである。
八峰苑は、この地から源泉(大橋秀夫、鹿の湯)をひいており、この源泉につかることができる。
源泉所在地が知られると不測のこともあり得るとのことで、これまでお見せしたことはないとのことであったが、画像はネットに載せないということでオーナーに案内され、流れ星さんに随行して見せていただいてから、もう4年近く経ちました。

金色夜叉には「袖の澤を落来る流は、二十丈の絶壁に懸りて、素繍を垂れたる如き吉井滝あり。」
との記載があり、国道400号バイパスの弁天橋から、袖ヶ沢を流れ落ちる吉井の滝を見ることができます。

大正10年発行の「塩原名勝旧跡の伝説」に万人風呂の記載がありました。
「明治17年道路開通の当時、役人の勧めにより、古町なる米屋に内湯を設けたるを、内湯の始めなりとす。
(途中略)爾来各館競ふて内湯を設くるに至れり、殊に袖ヶ澤には、近頃萬人風呂と称せる内湯の広きものが出来たり。」
同書によると、須巻温泉のほうには、名物団子で有名な根本屋という温泉宿があり、滝の湯と呼ばれていたようです。

投稿: デミオ | 2010/07/14 22:33

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塩原温泉郷の塩釜地区にあるホテルです。今まで、このホテルがあることすら知りませんでしたが、自遊人の温泉パスポートに載っていましたので、タダだから行ってみました。 正直、塩原温泉郷全体的にごまちゃんにとってはアウェイというイメージです。仙台に住んでいても...... [続きを読む]

受信: 2007/08/06 20:45

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