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2008/08/24

【福島】湯岐温泉和泉屋旅館

湯岐温泉 和泉屋旅館
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和泉屋旅館は湯岐温泉の3軒の中で県道から入って一番手前にある旅館だ。
湯治目的の客が多いようだが、部屋数30室あるのは大したものだ。

宿のHPに詳しいが、天文8年(1539)湯神社(八幡宮)を建立し、その後代々、湯守を引継ぎ<大森和泉守>を代々名乗ったことにより「和泉屋」が屋号の由来とのことで、それ以前から湯は管理されていたと言うことになる。
志保の湯では、文明18年(1486)に奥州行脚の際に立ち寄った粟田道興法親王が歌に詠んだとあるので、恐らく湯岐温泉もその頃には既に発見されていたに違いない。

玄関を入ると右手が帳場で、すぐ出てきた女将に料金を払い奥の浴室へ向かう。
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右上の写真にあるが、「鹿の湯」「八幡の湯」と2つあるようだがどう違うのか興味津々まずは右に曲がったところの「鹿の湯」へ。大きな男女別の暖簾が掛かっていてごく普通の男の脱衣場に服を脱ぎ、浴室へ入るとそこは混浴で既に女性も入っていた。
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湯治客なのか、空気枕を湯船の縁に置いてじっと浸かっている男性客が動かない。その他の客も居て湯が透明だから主浴槽を写真に撮る事はできなかった。上左写真の浴槽は少し熱め(40℃)の上がり湯で低温時は加熱する湯だ。上右は源泉を一旦貯める湯槽で蓋を開けて覗いて見たがただの四角い水槽に温泉が半分ほど溜まっていただけだ。

隣の「八幡の湯」へはドア一枚で移動できる。と言っても間に脱衣場を介しているが。
こちらはいささか浴室が窮屈だ。どうやらこちらも混浴だったが無理矢理壁を設けて男女別にしつらえた感じだ。それもまたやむをえないかもしれない。
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湯は恐らく和泉屋の足元湧出源泉だろう。爽やかに透き通った実にやわらかい湯だ。つるスベ感も十分ある。(馬頭温泉ほどすべらないが。)ともかく、自然湧出、加温無しでゆったり入れるアル単の湯には大感動だ。

<施設名> 湯岐温泉 和泉屋
<所在地> 福島県東白川郡塙町大字湯岐字湯岐17  
<TEL> 0247-43-0170
<温泉所有者及び管理者> 湯岐区 湯岐総持財産管理委員会
<源泉名> 湯岐温泉 和泉屋旅館
<湧出地> 福島県東白川郡塙町大字湯岐字湯岐26番地
<湧出量> 記載なし  自然湧出
<泉質> アルカリ性単純温泉  <pH> 9.6
<泉温> 37.2℃  <知覚的試験> 無色澄明で微硫黄臭を有し無味
<成分総計> 0.1755g/kg   <蒸発残留物> 153.3mg/kg
   カチオン Na:41.5mg K:0.7mg
         Ca:1.3mg Mg:0mg Fe:0.1mg 計43.6mg
   アニオン Cl:5.0mg F:1.0mg HCO3:24.5mg CO3:33.1mg
         SO4:12.0mg   計76.8mg
   遊離成分 メタ珪酸:55.1mg メタホウ酸:0.0mg
   ガス分   0.0mg
 
<分析年月日> 平成17年7月21日
<成分に影響を与える事項> 加温、加水なし。上がり湯は低温時のみ加温 
<営業時間>  10:00~16:00
<定休日>  年中無休
<入浴料金>  大人1日 800円  大人1回 500円(3時間以内)

     2008.8.16

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2008/08/20

【福島】湯岐温泉岩風呂

湯岐温泉 山形屋
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                            岩風呂(右側の建物は水洗トイレ)
 
ぬる湯を求めて阿武隈山地に分け入った(自動車だけど・・)。
やっと着いた開湯500年という歴史のある湯岐(ゆじまた)温泉には正直驚いた。
県道から少し坂道を上った山腹に3軒の旅館がかたまって建っている鄙びた小さな温泉郷だ。
手前から和泉屋、井桁屋、山形屋と並んでいる。一番奥の山形屋さんがこの岩風呂を管理している。この一角には一般の民家と思われる家も数軒建っているから共同浴場としての役割も昔から果たしているのだろう。
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山形屋さんに声をかけ、入浴料を払って宿の南側に建っている岩風呂へ向かう。(この日は客室休憩・チタケうどん付きで一人1,500円で入らせてもらった。)
でかでかと「岩風呂」と書かれた建物の手前にはちゃんとした水洗トイレがあり、喫煙スペースもある。
扉を開くと左手が脱衣場、右手がガラスに仕切られた浴室だ。完璧な混浴で、慣れないと男でもうろたえる。新しい色とりどりの足拭きマットが共同浴場らしさを作っている。棚にプラかごが並んでいる。一番奥がカーテンウォールで仕切られるようになっていて女性はそちらで着替えたりしているようだ。

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浴槽が山肌にあった自然の花崗岩を囲うように作られていて10人は入れる大浴槽とやっと2人が入れそうな小浴槽がある。小浴槽は40℃で「上がり湯」と呼んでいるが、厳寒期以外はこちらも加熱していない井戸からの湯だ。大浴槽はなんと!足元湧出していて岩の割れ目から10秒ほどの間隔でブクブク、ブクブクと泡が上がっている。その湯温が37.8℃だから泡でも見えないと足元湧出と分からない。
湯温の高い小浴槽のオーバーフローが結構多いので夏場だとそれほどのぬる湯でもない。
pH9.8のアルカリ単純泉だからかなりつるつるスベスベの感触だ。そのために手摺が十分設置されている。写真では青味がかった色に見えるが、浴槽の底のモルタルが青く塗られているせいだ。
宿のパンフには1日4~5時間入浴するよう勧めていたが、それも最高だろう。

ご主人の話では、岩風呂の足元湧出量は15リットル/分ほどで、湯岐温泉全体で70リットル/分位だそうだ。1日約100tだから3軒の宿であれば十分賄える量であろう。
 
こんな温泉があったのか!!!

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<施設名> 湯岐温泉 山形屋
<所在地> 福島県東白川郡塙町大字湯岐字湯岐31  
<TEL> 0247-43-1370
<源泉名> 湯岐温泉 山形屋旅館
<湧出地> 福島県東白川郡塙町大字湯岐字湯岐28番地

<湧出量> 記載なし  自然湧出
<泉質> アルカリ性単純温泉  <pH> 9.6
<泉温> 38.7℃  <知覚的試験> 無色澄明で微硫黄臭を有し無味
<成分総計> 0.1751g/kg   <蒸発残留物> 157.3mg/kg
   カチオン Na:41.3mg K:0.7mg
         Ca:1.3mg Mg:0mg Fe:0.1mg 計43.4mg
   アニオン Cl:5.0mg F:1.0mg HCO3:24.5mg CO3:33.1mg
         SO4:12.0mg   計76.1mg
   遊離成分 メタ珪酸:54.9mg メタホウ酸:0.0mg
   ガス分   0.0mg
 
<分析年月日> 平成17年7月21日
<成分に影響を与える事項> 低温時のみ加温 
<営業時間>  6:00~21:00
<定休日>  年中無休
<入浴料金>  大人1日 500円  大人1回 300円

     2008.8.16

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2008/08/18

【福島】志保の湯

安らぎの湯宿 志保の湯
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この時季、快適な温泉と言えばぬる湯に限る。そして山の露天風呂はアブと戦わなければいけないのが辛い、というわけで内湯のぬる湯を求めて阿武隈山地南端の塙町へ行ってきた。交通の便が良いとはいえない地域だけに名が売れているわけではないが、歴史もある、湯使いの素晴らしい温泉に浸かることが出来た。

栃木県民から言えば八溝山の向こう側、東麓と言う位置だ。「志保の湯」の看板をたどって国道、県道、林道と走り、最後はボンネットの先が見えないほどの急坂を下った先に志保の湯がある。
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「営業中」の札が掛かった玄関を入り、声をかけると若女将がすぐ出てきて笑顔で立ち寄り湯をOKしてくれた。泊り客の女性が入浴中とのことでしばらく女将さんと話することが出来た。向こうの茅葺きの屋敷は、築後400年とのことで(ボロボロだが)それだけでも歴史の重みを感じる。宿のパンフに拠れば文明18年(1486)に奥州行脚の際に立ち寄った粟田道興法親王が歌に詠んだというから証拠まであるわけだ。
現在の宿はすっきりした和室8室で、掃除が行届いている。浴室は男女別に分かれているが、加熱の関係で女湯の小さい浴槽のみ湯が張ってあった。但し男風呂の源泉槽にもうたせ2本が引かれ、豪快に湯が落ちていた。
女湯は打たせ1本だ。
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湯は透明無味無臭だが、つるスベ感がすごい。さすが重曹系pH9.5のアルカリ性単純泉だ。成分総計209.7mg/kgと薄いが、深掘りならいざ知らず、自然湧出のアル単は初めて出くわした。40℃の加熱浴槽も循環ではなく、溢れ出して排水していたから感激だ。
塩素と全く無縁な最高のアル単を楽しむことが出来る。

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静かな品のある宿という印象だ。
今年成分分析を実施している。温泉法改正がその理由だ。

080816_035湯井は向かいの山の中ほど(5m上?)とのことだが、確認したいといったら「ヘビが出るから行かない方がいい」と言われすぐ諦めた。
 
 
 
 
 
<施設名> 安らぎの湯宿 志保の湯(しおのゆ)
<所在地> 福島県東白川郡塙町大字木野反字吉澤27   
<TEL> 0247-43-1273
<源泉名> 志保の湯温泉 志保の湯
<湧出地> 福島県東白川郡塙町大字木野反字吉澤26
<湧出量> 15リットル/分  自然湧出
<泉質> アルカリ性単純温泉  <pH> 9.5
<泉温> 27.7℃  <知覚的試験> 無色澄明で微硫黄臭を有し無味
<成分総計> 209.7mg/kg   <蒸発残留物> 179mg/kg
   カチオン Na:50.2mg K:0.7mg
         Ca:1.5mg Mg:0mg Fe:0mg 計52.4mg
   アニオン Cl:7.1mg F:1.3mg HCO3:46.3mg CO3:36.3mg
         SO4:15.8mg   計101.5mg
   遊離成分 メタ珪酸:55.8mg メタホウ酸:0.0mg
   ガス分   0.0mg
 
<分析年月日> 平成20年5月22日
<成分に影響を与える事項> 加温 
<営業時間>  10:00~20:00
<定休日>  年中無休
<入浴料金>  大人 700円

     2008.8.16

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2008/08/17

至福のぬる湯を求めて福島へ!

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15~16日久しぶりに店を休みとしたのでそれでは温泉となったが、そうなると行き先に迷ってしまう。
鏡石のホテルまるなかが15日で現経営者は閉めるとのことでいやさかの湯とセットで是非にとも考えたが15日はグズグズして行かれず、宇都宮のベルさくらの湯が11月末オープン予定で現在建設工事の真っ只中だということを確認したぐらいだった。
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どうしてもぬる湯に入りたくて調べると湯岐(ゆじまた)温泉が足元湧出と知り、検索したら大野あやさんのHPがヒットしてそのレポに惹かれ、絶対に行こうと言うことになった。16日は気合を入れて8時出発、塙町を目指した。東北道で白河ICまで走り、棚倉町経由で塙町へ向かうと勝手にイメージしたが、何故かナビは有料道路指定なのに高速を下りて馬頭方面へ行けと言う。面白くないから矢板まで高速を走り、旧喜美の森のそばを通り、棚倉へ抜けた。よく考えれば距離と時間から馬頭ー袋田ー矢祭ー塙が正解だったかもしれないが、それほどの差ではないだろう。

まずは1軒宿の志保の湯へ。とても愛想の良い若女将としばらく話をしてから入湯。27℃の源泉打たせはさすがに夏でもきつい。こちらだけなら加温料金無しで300円でいいと言われたが、700円で入れる40℃の加温槽が有難かった。
冷たい源泉をうたせで落とすというこのスタイルは実に面白い。加温は浴槽の小さい女風呂だけだったが、循環ではなく、掛け流していたのが感激だった。

次にメーンの湯岐温泉へ。途中湯岐不動の瀧というのが道路のすぐ横にあったりする舗装の楽しい山道を行くと、大きな看板がわき道へ誘導する。入るとまずは和泉屋があり、更に登ると「山形屋駐車場」とあり、左手に下がったところに井桁屋、山形屋と見えた。とりあえず一番奥の山形屋の玄関前まで車で進むと作業服姿のおじさんがいろいろ教えてくれる。この人が山形屋のオーナー大森さんと分かるのに少し時間が掛かった。
指定された駐車場に車を置くとまずは温泉だ。
山形屋が管理している岩の湯は共同浴場というより別棟の浴室と言う感じで、まるっきりの混浴というのに驚かされる。
ここのもとからある花崗岩を浴槽に取り込んだ浴室は実に面白い。特に足元湧出の泡が一定間隔でプクプク上がってくるのは温泉ファンとしては興奮する。40℃近い足元湧出のアル単なんて全国でも稀なんではないだろうか。

さて次は和泉屋にも入ったがそれは別項目で。

塙町は中通りになるそうだが(山形屋のご亭主曰く)かなりの山奥で行きやすいというわけではないせいか、あまり有名ではないし、ネット上のレポも少ない。しかし行ってみると開湯500年という歴史もあるとても個性的な温泉でその湯使いがすばらしい。湯で出会った横浜からいつも来ているというファンは、群馬の大塚温泉かこちらの2ヶ所しか今は行かないそうだ。これには驚いた。

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このほか、塙町内には干泥(ひどろ)温泉を源泉とする公営施設湯遊ランドはなわ、湯岐山荘があり、更に常世温泉乙女姫の湯(とこよおんせんおとひめのゆ)、谷川の湯(やかわのゆ)という鉱泉がありかなりそそられる。どの名も読みにくいのが面白い。

帰りは1時間半ほどで常磐道の那珂ICに出、北関東自動車道で桜川まで走り帰って来た。これが真岡まで繋がり、東北道と常磐道が連絡すれば確かに便利になる。年明けの完成を期待しよう。

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